結論
- 嘔吐の「ポーズ」は生成できるが、
vomitingでは吐瀉物そのものはほぼ描写されない。口を手で押さえ、眉間にしわを寄せた「吐き気を我慢する」表情が中心 vomitingが嘔吐ポーズとしては最も安定。3枚中3枚で嘔吐を連想させるポーズが生成されたthrowing upは使えない。「投げ上げる」動作として解釈され、両手を上げるポーズになる- 口から物質を出す描写には
drooling XやX dripping from mouthが有効。drooling jellyは3/3で口からゼリー状液体が垂れる描写を実現。ただし嘔吐の苦しい表情は伴わない - 「嘔吐ポーズ」+「口から液体」の両立は困難。嘔吐表現(vomiting等)では液体が出ず、液体表現(drooling等)では嘔吐の表情が出ない
実験条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| モデル | z-image-turbo |
| ステップ | 8 |
| サンプラー | euler |
| スケジューラー | ddim_uniform |
| CFG | 1.0 |
| 画像サイズ | 1024×1024 |
| seed | 42 / 7295 / 4517(全条件共通) |
| フレーミング | upper body |
ベースプロンプト
[嘔吐表現]の部分のみを条件ごとに変更し、他はすべて固定した。
実験1: 嘔吐表現バリエーション比較
6つの嘔吐関連の英語表現を比較し、どの表現がもっとも意図通りの出力を生成するか検証した。
| 条件 | プロンプト表現 | ニュアンス |
|---|---|---|
| A00 | (嘔吐表現なし) | コントロール |
| A01 | vomiting | 嘔吐(直接的・医学的) |
| A02 | throwing up | 嘔吐(口語的) |
| A03 | puking | 嘔吐(カジュアル) |
| A04 | gagging | えずく |
| A05 | retching | 空嘔吐 |
A00: コントロール(嘔吐表現なし)
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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通常の室内ポートレート。落ち着いた表情で、嘔吐要素はない。
A01: vomiting
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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3枚中3枚で口を両手で押さえ、眉間にしわを寄せた苦しそうな表情が生成された。閉眼または半目。前傾姿勢の傾向。食卓やボウルが出現する画像もある。吐瀉物の描写は確認されなかった。
A02: throwing up
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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3枚中3枚で「投げ上げる」動作として解釈された。両手を頭上に上げ、口を大きく開けたポーズ。水滴が飛散している画像もある。嘔吐としては完全に機能しない。throwing upは「上に投げる」と「嘔吐する」の両義があり、前者が優先されている。
A03: puking
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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seed=42で口から赤い液体が垂れている描写が確認された。seed=7295、4517は口を手で押さえる苦しそうな表情で、vomitingと類似。3枚中1枚で液体描写が生成された点で、pukingはvomitingより「実際に吐いている」描写が出やすい可能性がある。
A04: gagging
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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3枚中3枚で口元に片手を当てるポーズ。vomitingが両手で口を覆うのに対し、gaggingは片手で口に指を入れる/当てる傾向がある。「えずく」動作として概ね正確な出力。
A05: retching
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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vomitingとほぼ同じ結果。口を手で覆い、眉をしかめた苦しそうな表情。vomitingとretchingの間に視覚的な差は確認されなかった。
ラボ長コメント:
throwing upが「投げ上げてる人」になるの面白すぎる。嘔吐を狙うなら素直にvomiting一択ですね。
実験2: 嘔吐の強度段階
嘔吐の「程度」を段階的に変え、モデルが表現の強弱をどこまで反映するか検証した。
| 条件 | プロンプト表現 | 想定強度 |
|---|---|---|
| B00 | feeling nauseous | 弱(吐き気) |
| B01 | about to vomit | 中(嘔吐直前) |
| B02 | vomiting(実験1 A01と共有) | 強(嘔吐中) |
| B03 | projectile vomiting | 最強(噴射) |
B00: feeling nauseous
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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3枚中3枚で口元を押さえるうつむき加減のポーズ。vomitingと比較して表情がやや穏やかで、「吐き気を感じている」印象。seed=7295では目を閉じて静かに耐えている表情。他の条件より苦痛の度合いが低い出力になった。
B01: about to vomit
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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vomiting(A01)とほぼ同じ結果。口を手で押さえ、眉間にしわを寄せた苦しそうな表情。「about to」による「直前」のニュアンスは出力に反映されなかった。
B03: projectile vomiting
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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vomitingと視覚的にほぼ同じ。「projectile(噴射)」による強調効果は確認されなかった。噴射する描写は3枚中0枚。
強度段階の比較まとめ
| 条件 | 苦痛表現の強さ | 吐瀉物の有無 |
|---|---|---|
| feeling nauseous | やや穏やか | なし |
| about to vomit | vomitingと同等 | なし |
| vomiting | 強い | なし |
| projectile vomiting | vomitingと同等 | なし |
feeling nauseousのみ他より穏やかな表情になったが、about to vomit・vomiting・projectile vomitingの間に目立った差は見られなかった。強度の段階的コントロールは困難。
ラボ長コメント:
feeling nauseousだけちょっと控えめになるのは使い分けできそう。でもvomitingから上は天井にぶつかってる感じ。
実験3: 吐瀉物の内容物コントロール
実験1で最も安定していたvomitingをベースに、吐瀉物の見た目を指定できるか検証した。
| 条件 | プロンプト表現 | 狙い |
|---|---|---|
| C00 | vomiting(実験1 A01と共有) | ベースライン |
| C01 | vomiting jelly | ゼリー状の吐瀉物 |
| C02 | vomiting curry | カレー状の吐瀉物 |
| C03 | vomiting rainbow liquid | 虹色の液体 |
C01: vomiting jelly
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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seed=42で透明な青いゼリー状の袋状オブジェクトが口元に出現。seed=7295で赤いゼリー状の物体が口元に確認された。seed=4517では透明な糸状の描写のみ。3枚中2枚でゼリーの質感を持つオブジェクトが生成された。ただし「口から吐き出している」というより「口元に持っている/食べている」ように見える。
C02: vomiting curry
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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3枚中3枚でカレー皿が食卓に出現。カレーは「吐瀉物」ではなく「食事」として解釈された。被写体はカレーの前で口を手で押さえる嘔吐ポーズをとっており、「カレーを食べて気持ち悪くなった」シーンになっている。吐瀉物がカレー色になる描写は0枚。
C03: vomiting rainbow liquid
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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最も劇的な結果。seed=42では虹の形をしたキャンディ状オブジェクトが口元に出現し、黄色い液体が口から垂れている。seed=7295では虹色の食べ物を口に入れているポーズ。seed=4517では口から虹色の液体が流れ出ている描写が確認され、全実験中もっとも「嘔吐」に近いビジュアルが実現した。
吐瀉物コントロールのまとめ
| 条件 | 指定内容の反映 | 描写の傾向 |
|---|---|---|
| vomiting jelly | 2/3でゼリー的オブジェクト出現 | 口元にゼリーを持つ/食べる |
| vomiting curry | 3/3でカレー皿が出現 | カレーの前で嘔吐ポーズ(食事として解釈) |
| vomiting rainbow liquid | 1/3で口から虹色液体が流出 | 最も「吐いている」描写に近い |
ラボ長コメント:
vomiting curryがカレー食べて具合悪い人になるの、AIの解釈としてはむしろ正しい気がする。rainbow liquidが一番「吐いてる」画を出したのは、現実にない物質だからこそ嘔吐の文脈で処理されたのかも。
実験4: 口から物質を出す代替表現
実験1-3で「vomiting X」では吐瀉物の描写が困難だとわかった。そこで「嘔吐」以外の表現で「口から物質が出ている」描写を実現できるか検証した。
| 条件 | プロンプト表現 | 狙い |
|---|---|---|
| D01 | jelly dripping from mouth | ゼリーが口から垂れる |
| D02 | spitting milk | ミルクを吹き出す |
| D03 | milk coming out of mouth | ミルクが口から出る |
| D04 | drooling jelly | ゼリーをよだれのように垂らす |
D01: jelly dripping from mouth
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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3枚中3枚で口から透明なゼリー状の液体が垂れている描写が生成された。vomiting jelly(2/3)より成功率が高い。ただし表情は嘔吐ではなくニュートラル〜やや色っぽい雰囲気。dripping from mouthが「口から垂れる」描写を強力に誘導している。
D02: spitting milk
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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seed=42で口から白い液体が吹き出す描写が確認されたが、人数が2人に増えている。seed=7295、4517はミルクをストローや瓶で飲んでいるシーンに。spittingは「飲む」方向に解釈されやすく、「吹き出す」描写は不安定。
D03: milk coming out of mouth
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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3枚中3枚で口から白い液体が流れ出ている描写が生成された。ただしseed=42では人数が2人になっている。表情は嘔吐ではなく穏やかで、「ミルクをこぼしている」印象。coming out of mouthは方向(口から外へ)を明確に指定するため安定する。
D04: drooling jelly
| seed=42 | seed=7295 | seed=4517 |
|---|---|---|
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3枚中3枚で口から透明なゼリー状液体が垂れている。全実験中もっとも「口から物質が出ている」描写の成功率が高い(3/3)。droolingはよだれ検証記事でも確認された通り、口から液体が垂れる描写を安定して生成する表現であり、物質名を付加することでその質感もある程度コントロールできる。
代替表現の比較まとめ
| 条件 | 口から物質が出ている | 嘔吐の表情 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| jelly dripping from mouth | 3/3 | なし | 方向指定(dripping from)が効果的 |
| spitting milk | 1/3 | なし | 「飲む」に解釈されやすい |
| milk coming out of mouth | 3/3 | なし | 白い液体が安定して流出 |
| drooling jelly | 3/3 | なし | 最も安定。droolingの汎用性が高い |
ラボ長コメント: 結局「嘔吐の苦しい表情」と「口から液体」は両立しないんですよね。嘔吐シーンを組み立てるなら、
vomitingでポーズを作った画像とdroolingで液体を出した画像を別々に使い分けるのが現実的かも。
まとめ
嘔吐シーンの生成可能性を48枚で検証した結果:
- 嘔吐の「ポーズと表情」は安定して生成できる。
vomitingで口を押さえ、苦しそうな表情のシーンが3/3で再現 vomitingでは吐瀉物の描写は困難。大半の画像で液体や固形物は生成されないthrowing upは使えない。「投げ上げる」動作に誤解釈される- 口から物質を出す描写には
drooling XやX dripping from mouthが有効。drooling jellyは3/3で成功 - ただし「嘔吐の苦しい表情」と「口から液体」の両立は困難。表現の使い分けが必要
- 強度の段階的コントロールは
feeling nauseous(弱)とvomiting(強)の2段階が限度


















































