結論を先に
- 魚眼レンズ(fisheye)は3枚中3枚で明確な樽型歪曲と超広角の画角が再現され、最も効果の大きい焦点距離指定だった。
- 24mm広角は画角がやや広がりフレーミングが全身寄りになる傾向が見られたが、パースペクティブ歪みの再現は不安定だった。
- 35mm〜135mmの標準〜望遠域では、コントロールとの間に背景ボケ・圧縮感・画角の一貫した差が確認できなかった。被写体のフレーミングや背景描写はseed間のばらつきの範囲内に収まる。
- 85mm f/1.4の「shallow depth of field, creamy bokeh」指定では、3枚中1枚で背景ボケが若干強まった程度であり、f値指定による被写界深度制御は不安定である。
実験設計
| 項目 | 値 |
|---|---|
| モデル | z-image-turbo(6B、写実特化蒸留) |
| ステップ | 8 |
| CFG | 1.0 |
| サイズ | 1024x1024 |
| seed | 3つ固定(全条件共通) |
| フレーミング | upper body |
| 各条件 | 3枚(3seed) |
| 合計 | 7条件 = 21枚 |
ベースプロンプト
奥行きのあるカフェ内を背景にしたのは、焦点距離による背景圧縮・ボケの変化を視認しやすくするため。upper bodyフレーミングで被写体のパースペクティブ変化も観察できる。
先行知見
プロンプトのベストプラクティスで以下が確認済み:
- カメラ機種名(Canon EOS R5 等)は効果なしと確認されている
- 本記事では機種名ではなく「焦点距離の数値指定」が構図・ボケ感に影響するかを検証する
評価基準
画像の以下の属性を観察し記録した:
- 被写体のパースペクティブ: 顔の歪み、プロポーション変化(広角での周辺部の引き伸ばし等)
- 背景のボケ具合・圧縮感: 背景オブジェクトの大きさ・ディテール・ぼかし度合い
- 画角の広さ: 周辺の環境描写量(背景にどれだけの空間が写り込んでいるか)
各条件の結果
A00: コントロール(レンズ指定なし)
| seed 1 | seed 2 | seed 3 |
|---|---|---|
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観察: 3枚ともカフェ前景でのアッパーボディ構図。背景にカフェ内装(棚・カップ・コーヒー器具)がガラス越しに適度なディテールで描写されている。被写体の顔に歪みはなく、標準的なパースペクティブ。背景ボケは軽度で、背景のオブジェクトは概ね識別可能。
A01: 24mm広角レンズ
| seed 1 | seed 2 | seed 3 |
|---|---|---|
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観察: 3枚中3枚でフレーミングがコントロールより引きになり、被写体の全身またはウエスト以下まで写っている。背景の空間描写量が増え、カフェ外観・テラス席・樹木など周辺環境が広く入っている。ただし広角レンズ特有の周辺部の引き伸ばしや顔の歪みは確認できず、パースペクティブ自体はコントロールと大差ない。
A02: 35mm f/1.4
| seed 1 | seed 2 | seed 3 |
|---|---|---|
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観察: コントロールとの明確な差がない。3枚ともアッパーボディのフレーミングで、背景のカフェ描写のディテール量・ボケ具合ともコントロールと同程度。被写体のパースペクティブにも変化は見られない。f/1.4の浅い被写界深度を示唆するボケの強調も確認できなかった。
A03: 50mm f/1.4
| seed 1 | seed 2 | seed 3 |
|---|---|---|
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観察: コントロールとの明確な差がない。フレーミング・背景描写量・ボケ具合のいずれもコントロールの範囲内。3枚とも標準的なアッパーボディ構図で、50mmらしい「自然なパースペクティブ」はコントロールと区別がつかない。
A04: 85mm f/1.4
| seed 1 | seed 2 | seed 3 |
|---|---|---|
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観察: seed 1で背景のボケが他条件よりやや強く、ガラス越しの店内ディテールが柔らかくなっている。ただしseed 2・3ではコントロールと同程度の背景描写。フレーミングはコントロールと同じアッパーボディ。背景圧縮(背景オブジェクトが大きく見える望遠効果)は3枚とも確認できない。「shallow depth of field, creamy bokeh」の追加テキストの影響は3枚中1枚にとどまる。
A05: 135mm f/2
| seed 1 | seed 2 | seed 3 |
|---|---|---|
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観察: seed 1では「1girl」指定にもかかわらず2人の人物が描写されており、構図が破綻している。seed 2・3はアッパーボディ構図で、背景にカフェ内装が描写されている。背景圧縮やボケの強調はコントロールと比較して確認できない。望遠レンズ特有の画角の狭さ(被写体が大きく切り取られる効果)も見られず、seed間ばらつきの範囲内。
A06: 魚眼レンズ
| seed 1 | seed 2 | seed 3 |
|---|---|---|
![]() | ![]() | ![]() |
観察: 3枚中3枚で樽型歪曲が明確に再現されている。画像周辺部が湾曲し、直線(天井・壁・カウンター)が弓なりに歪んでいる。画角が極めて広く、カフェ内部の天井・床・左右の壁が1枚に収まっている。被写体は画面中央に配置され、頭部が相対的に大きく、足元が小さく描写される俯瞰パースが3枚中2枚で発生。seed 2では黒い円形ビネットも出現しており、魚眼レンズの光学特性を模倣している。被写体の顔は3枚とも破綻なく描写されている。
ラボ長コメント: 魚眼の歪曲がちゃんと出るのすごいでしょ。ビネットまで再現してるの、このモデル魚眼の学習データ相当多いんだろうね
まとめ
| 条件 | パース変化 | 背景ボケ | 画角 | 安定性 | 推奨度 |
|---|---|---|---|---|---|
| A00: コントロール | 基準 | 基準 | 基準 | 3/3 | 基準 |
| A01: 24mm広角 | 差なし | 差なし | やや広い | 3/3 | △ |
| A02: 35mm f/1.4 | 差なし | 差なし | 差なし | 3/3 | × |
| A03: 50mm f/1.4 | 差なし | 差なし | 差なし | 3/3 | × |
| A04: 85mm f/1.4 | 差なし | 微増(1枚) | 差なし | 1/3 | × |
| A05: 135mm f/2 | 差なし | 差なし | 差なし | 2/3 | × |
| A06: 魚眼 | 樽型歪曲 | 差なし | 超広角 | 3/3 | ◎ |
推奨プロンプト
焦点距離の数値指定で安定した効果が得られるのは魚眼レンズのみ。標準〜望遠域(35mm〜135mm)の焦点距離指定はコントロールとの差が出ず、トークンの無駄になる可能性が高い。
24mm広角は画角を広げる効果が部分的に見られるが、広角パースの歪みは再現されないため、単に引きの構図が欲しい場合は full body 等のフレーミング指定の方が確実である。
背景ボケを強めたい場合は焦点距離やf値の指定よりも shallow depth of field や bokeh 等の直接的な視覚効果ワードの方が有効と考えられる(本実験では未検証)。
ラボ長コメント: えっと、焦点距離の数値指定は魚眼以外ほぼ効かないですね。35mmも85mmも135mmも差が出ないのは、トークンの無駄遣いになるだけなので避けた方がいいかなと






















