結論を先に
- 恐怖を一段引き上げる最有効の追加語は
unnaturally pale bluish-white skin。 3枚中3枚で肌が青灰色になり、血の通っていない顔色になった。副産物として、前回0/3だった肩はだけがこの条件で初めて出現した(3枚中1枚)。 - 怪談ライティング(下からの照明)はライティング指定ではなくポーズ変更で実現できる。
crawling on the floor toward the cameraにすると、3枚中3枚で懐中電灯が床置き・手元配置になり、結果的に顔が下から照らされた。前回のライティング条件(h02)で失敗した表現が、ポーズ経由で自然に出た。 - 髪で顔を完全に隠すことはできなかった。
completely covering her faceは3枚中0枚で再現されず、3枚とも顔がはっきり見える。前回h02と合わせて「このモデルは被写体の顔を見せる方向に寄せる」という観察がさらに補強された。 grainy VHS footage, analog video noiseはグレインと色被りを追加する(3枚中3枚)。ただし走査線やトラッキングノイズのようなVHS特有の破綻は3枚中0枚で出なかった。
前回のおさらい
前回のJホラー演出4軸検証では、ロケーション・ライティング・衣装・ホラー語彙の4軸を分解し、horror movie still + 廃病院 + 白装束の複合条件(h05)が最も怖いという結果を得た。
今回はそのh05をベースラインとして、さらに恐怖を強化する4つの軸を1つずつ追加し、最後に効いた要素を全部乗せする。ベースラインの画像は前回記事を参照してほしい(同一プロンプト・同一seedのため再生成していない)。
実験設計
| 項目 | 値 |
|---|---|
| モデル | z-image-turbo(6B、写実特化蒸留) |
| ステップ | 8 |
| サンプラー | euler / ddim_uniform |
| CFG | 1.0 |
| サイズ | 1024x1024 |
| seed | 42, 43, 44 固定(前回と同一) |
| 各条件 | 3枚 |
| 新規生成 | 5条件 × 3 = 15枚 |
ベースプロンプト(前回h05 = 今回のベースライン)
条件一覧
| 条件 | 変更軸 | 変更内容 |
|---|---|---|
| ベースライン | — | 上記(前回記事のh05を参照) |
| g01: VHS質感 | カメラ・記録媒体 | 末尾に grainy VHS footage, analog video noise を追加 |
| g02: 這うポーズ | ポーズ | standing in → crawling on the floor toward the camera in |
| g03: 顔を覆う髪 | 髪 | partly covering her face → completely covering her face |
| g04: 青白い肌 | 肌 | unnaturally pale bluish-white skin を追加 |
| g05: 最終形態 | 複合 | 効果のあった要素(VHS + 這うポーズ + 青白い肌)を全部乗せ |
実験上の注意: g01〜g04はベースラインに対して1軸ずつの変更である。g05は複合条件のため、個別要素の因果関係には言及しない。
各条件の検証
g01: VHS質感
| seed 42 | seed 43 | seed 44 |
|---|---|---|
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観察: 3枚中3枚で粒状のフィルムグレインが乗り、彩度がさらに落ちてアナログ的な色被りが出た。「記録映像の中に写ってしまった何か」という質感になる。一方、VHS特有の走査線・トラッキングノイズ・にじみは3枚中0枚で、期待した「ビデオテープの破綻」までは再現されなかった。seed 42では口元に横方向の光の帯がかかり、髪が顔の両脇に垂れて不気味さが増した。seed 44では無地だったはずの着物に赤い装飾帯が出現している。
g02: 這うポーズ
| seed 42 | seed 43 | seed 44 |
|---|---|---|
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観察: 3枚中3枚で四つん這いになり、前傾姿勢でカメラを見上げる構図になった。注目すべきはライティングで、3枚中3枚で懐中電灯が床置きまたは手元に配置され、結果的に顔が下から照らされた。前回のライティング条件で lit from below by flashlight と直接指定しても再現できなかった怪談ライティングが、ポーズを floor レベルに下げたことで自然に成立している。seed 42は目の周りの影が濃く視線の圧が強い。seed 44は目元に黒い滲みが流れ、床の散乱物と相まって画面全体が荒んだ。
「静かに立っている」から「迫ってくる」に変わったことで恐怖の種類が変わり、同時に前傾ポーズによって上半身のラインが出るため、今回の条件の中では色気の残存量も最も多い。
g03: 顔を覆う髪
| seed 42 | seed 43 | seed 44 |
|---|---|---|
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観察: completely covering her face(顔を完全に覆う)は3枚中0枚で再現されず、3枚とも顔がはっきり見える。partly を completely に強めても、髪のボリュームが増えて顔まわりを囲む程度の変化に留まった。代わりに目の下の隈・落ちくぼみは3枚とも前条件より強調され、seed 43では目の周りが赤黒く腫れたような描写になった。
前回のライティング条件(deep shadows on face が効かない)と合わせると、このモデルは被写体の顔を隠す指示に抵抗し、顔を見せる方向に寄せる傾向が一貫して観察されている。「見えないから怖い」タイプの演出はプロンプト単体では作りにくい。
g04: 青白い肌
| seed 42 | seed 43 | seed 44 |
|---|---|---|
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観察: 今回の単一変更の中で最大の恐怖上昇。3枚中3枚で肌が青白〜青灰色になり、血の通っていない顔色になった。seed 43は顔全体が青灰色で、生者には見えない。seed 43と44では目の周りに赤みが乗り、充血したような目元になった。
さらに興味深い副産物として、seed 44で肩はだけが初めて出現した。white burial kimono slipping off one shoulder は前回実験から通算6条件・18枚で一度も再現されていなかったが、この条件の3枚中1枚で片肩が露出した。
g05: 最終形態(全部乗せ)
効果が確認できたVHS質感・這うポーズ・青白い肌の3要素をベースラインに同時追加した。
| seed 42 | seed 43 | seed 44 |
|---|---|---|
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観察: 青白い肌×四つん這い×床置き懐中電灯の下から照明×グレインがすべて3枚中3枚で同時に成立し、今回の全条件で恐怖度は最高になった。seed 44では着物に赤茶けた汚れが乗り、足に包帯が描かれるなど、指定していない荒廃ディテールまで追加されている。
一方で予想外の変化もあった。ベースラインやg04では無地に近かった白装束が、この条件では3枚中3枚で赤い帯に変わった。複合条件のためどの要素の寄与かは特定できないが、g01(VHS)のseed 44でも赤帯が出ており、無地の白装束は複合度を上げるほど維持しにくい可能性がある。
条件間の比較(seed 42)
| VHS質感 | 這うポーズ | 顔を覆う髪 |
|---|---|---|
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| 青白い肌 | 最終形態 | |
|---|---|---|
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ベースライン(前回h05のseed 42)との比較は前回記事を参照。質感(VHS)<構図(這う)<肌色(青白い)の順で恐怖の上昇幅が大きく、複合するとさらに積み上がる。
まとめ:恐怖エスカレーションのレシピ
| やりたいこと | 推奨アプローチ |
|---|---|
| 恐怖を一段強化する最短手 | unnaturally pale bluish-white skin を追加(3/3で死人の顔色に) |
| 怪談ライティング(下から照明) | ライティング指定でなく crawling on the floor toward the camera でポーズごと変える(3/3で床置きライト化) |
| 記録映像っぽい不穏さ | grainy VHS footage, analog video noise(グレインと色被りは3/3、走査線は出ない) |
| 顔を髪で隠す | プロンプト単体では不可だった(completely covering 0/3)。顔は常に見える前提で設計する |
| 色気も残したい | 這うポーズが最有力。青白い肌は恐怖と引き換えに色気を大きく削る |
なお、これらはz-image-turbo(CFG=1.0、8ステップ)での結果であり、他のモデル・パラメータでは異なる可能性がある。基礎は検証済みベストプラクティスを参照。

















