はじめに
90年代のスナップ写真に特有のあの空気感――コンパクトカメラの直射フラッシュが生む硬い影、ISO 400フィルムの粒子感、そしてやや黄味がかった色味。AI画像生成でこのスタイルを呼び出せるのか。
今回は 35mm flash photography と 90s film grain の2つのキーワードを軸に、それぞれ単独および複合で効果を検証した。
実験条件
共通プロンプト(ベースライン):
変数:
| 条件 | 追加プロンプト |
|---|---|
| コントロール | なし |
| 35mm flash | 35mm flash photography, harsh on-camera flash, hard shadows |
| 90s film grain | 90s film grain, ISO 400 film, warm color cast |
| 複合 | 35mm flash photography, 90s film grain, ISO 400, harsh shadows, warm tones |
- seed固定: 256, 333, 500(各条件3枚、計12枚)
- シーン: 薄暗い廊下(フラッシュ効果が確認しやすい環境)
コントロール条件
追加プロンプトなしのベースライン。



照明は天井の照明のみで比較的ニュートラルな色調。影は自然光程度で柔らかく、特にフラッシュ的な硬さは見られない。
35mm flash photography の効果



3枚中3枚で被写体の背後に硬い影が確認された。コントロールと比較して最も顕著な変化は以下の2点。
- 影の硬さ: 被写体の輪郭に沿った明確な影が壁に投影されている。特にseed500では肩から腕にかけての影がくっきり出ている
- 色温度のシフト: コントロールのニュートラルな色調に対し、全体的に青緑方向への色温度変化が3枚中3枚で観察された
ラボ長: フラッシュの影ちゃんと出てんの良い。90年代の写ルンですで撮ったやつってまさにこういう影だよね。色が青くなるのは予想外だけど
90s film grain の効果



warm color castを指定したにもかかわらず、3枚中3枚でコントロールよりも寒色寄り(青緑方向)の色調になった。一方で以下の変化が確認された。
- 粒子感: コントロールと比較して、暗部を中心にフィルムグレインに類似したノイズテクスチャが3枚中2枚(seed256, seed333)で観察された
- 彩度の低下: 全体的に彩度が抑えられ、フィルム写真的なくすんだ色味になっている
- warm color castの不発: 暖色方向への色変化は確認されなかった。
90s film grainやISO 400 filmが寒色方向のスタイルとして解釈された可能性がある
複合条件(35mm flash + 90s film grain)



flash条件とfilm grain条件の両方の特徴が出現した。
- 硬い影: 3枚中3枚で被写体背後に明確な影が投影されている
- フィルム粒子感: 暗部のノイズテクスチャが3枚中2枚で確認
- 色温度: 引き続き青緑方向。
warm tonesを明示的に追加したが、暖色化には至らなかった
ラボ長: warm tonesもwarm color castも効かないの渋いな…。でもこの青緑がかった色味、むしろ90年代のフラッシュ写真っぽさある気がする
横並び比較
seed 256
| コントロール | 35mm flash | 90s film grain | 複合 |
|---|---|---|---|
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seed 333
| コントロール | 35mm flash | 90s film grain | 複合 |
|---|---|---|---|
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seed 500
| コントロール | 35mm flash | 90s film grain | 複合 |
|---|---|---|---|
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横並びで比較すると、コントロールから35mm flash/film grain条件への色温度シフトが一目瞭然。コントロールのニュートラルな色調に対し、フラッシュ・フィルム系キーワードを追加した3条件はいずれも青緑方向に振れている。
まとめ
| 項目 | 35mm flash | 90s film grain | 複合 |
|---|---|---|---|
| 硬い影 | 3/3 | 0/3 | 3/3 |
| フィルム粒子感 | 1/3 | 2/3 | 2/3 |
| 暖色化 | 0/3 | 0/3 | 0/3 |
| 青緑色調シフト | 3/3 | 3/3 | 3/3 |
| 彩度低下 | 2/3 | 3/3 | 3/3 |
効果が確認されたもの:
35mm flash photography, harsh on-camera flash, hard shadowsは硬い直射フラッシュの影を安定して生成する(3/3)90s film grain, ISO 400 filmはフィルム粒子感と彩度の低下をもたらす- 両者の複合は、影の硬さとフィルム感を同時に引き出せる
効果が確認されなかったもの:
warm color cast/warm tonesによる暖色化は6枚中0枚で不発。90年代フィルムの暖色感を出すには別のアプローチが必要- 90年代フラッシュ写真特有の「被写体だけ明るく背景が暗い」落差は限定的。シーン設定(dimly lit hallway)である程度出ているが、フラッシュ由来の急激な光量差とは異なる
ラボ長: 影とフィルム感は出るけど色味のコントロールは別問題ってことね。暖色にしたいなら
golden hourとかtungsten lightみたいな光源系で攻めたほうが確実かも


